宮城県気仙沼港の遠洋まぐろ延縄漁船 勝栄丸 (SHOEIMARU) のブログです。勝倉漁業株式会社が運営する勝栄丸ブログでは、まぐろを取り巻く世界情勢や国内の動き、地域の情報などについてお知らせ致します。

2015年08月15日

今年のサンマ来遊動向


8月下旬からはじまる日本近海でのサンマ棒受け網漁解禁に向けて、昨年サンマ水揚げ本州一を記録した気仙沼港で、第31回「食」と「漁」を考える地域シンポジウム【サンマ資源の国際管理と今期の来遊動向】というサンマについての勉強会が開催されました 花丸

これまでは資源管理がほとんどなく、獲り放題状態となっていた北太平洋のサンマ資源。 気づけば外国勢とくに台湾漁船が大幅に勢力を伸ばし、91隻もの超大型漁船で、日本近海に来遊する前のサンマを年間20万トン以上も漁獲するほどになっていて、さらに中国も近年40~60隻ほどの新造船を建造しサンマ漁へ新規参入。 これまた8万トンまで漁獲をのばしている状況 汗

これまでは比較的潤沢といわれてきたサンマ資源ですが、日本の科学者の解析によると、その資源状態は減少傾向にあり近年は横ばいだけれども、なんらかの抑制策は必至という状況だとか。 サンマをはじめとする北太平洋の漁業を管理しようと、日本が主導してようやくNPFCなる条約が発効しこの7月から管理が進められていく事になったそうです タイ


昨年10月に台湾・高雄での視察の際、大型サンマ漁船が大量の冷凍サンマを水揚げしているところに出くわしましたが、今回のプレゼンにあった外国勢のサンマ漁の実態を資料で見て、「あぁ、あの時に見たものがこれなんだな」って。 すでに実際に台湾でこの目で見ているだけに、外国勢によるサンマ漁についてすごくわかりやすく感じたプレゼンでした camera

そりゃそうですよね、日本だけサンマ資源を守る気持ちがあっても、日本近海に回遊してくる前のサンマを外国勢が早い時期から公海漁場で大規模に上限なしに「先獲り」してたんじゃ、いまは比較的安定しているサンマ資源もこの先どうなるかわかりませんからね icon08

水産総合研究センターの報告によると、今年のサンマは解禁当初は低調な漁況なるも、9月半ば以降は漁況が上向くとの予測。 サンマの大きさについては、全体として大型が少なく、中盤戦以降は中小型の割合が多くなるとの事。 あくまでも予測は予測。 実際の操業では、順調に大型主体の漁模様になることを期待しています 船

ここまではカツオの水揚げが順調な気仙沼です。 秋に向かってサンマが加わってさらに気仙沼が活気づくことを願いつつ、今年のサンマの動向をこれから注意深く見守っていきたいと思います face02
  

Posted by 勝倉漁業株式会社 at 17:05