宮城県気仙沼港の遠洋まぐろ延縄漁船 勝栄丸 (SHOEIMARU) のブログです。勝倉漁業株式会社が運営する勝栄丸ブログでは、まぐろを取り巻く世界情勢や国内の動き、地域の情報などについてお知らせ致します。

2017年01月25日

水産研究・教育機構の成果発表会


東京・茅場町の東京証券会館8階ホールを会場に、国立研究開発法人水産研究・教育機構の成果発表会が開催されました。 「国境なき魚たち」と題しさまざまな国に利用される漁業資源の将来についての講演会。 今回で14回目となる成果発表会には水産関係者がたくさん集まっていました クラッカー

太平洋クロマグロ、カツオ、メカジキ、サンマなど。 それぞれに大きな課題を抱える魚種について、日々研究を重ねている科学者・研究者のプレゼンテーション。 すごく興味深く拝聴してきました 音符

勝栄丸ブログでも今年最初に取り上げた問題、太平洋クロマグロの資源状況と将来予測についてのお話しから講演がスタート。 現在6~8割が日本が漁獲し、近年ではメキシコが数量をのばし、産卵する年齢に達しない未成熟魚(0~1歳魚)の漁獲が9割を超すのがこの太平洋クロマグロの特長だとか タイ

私がえている情報と一緒ですね。 2014年のデータでは、全漁獲に占める割合で、0歳魚が70.6%、1歳魚が24.1%。 資源水準的には過去最低水準だけれども、若干上向きの傾向がみられるとの事で、このままの管理を続けていっても現在の暫定回復目標を高確率で達成できるという説明でした。。。 マイク

ほんとうにそうなんでしょうか。 ちょっと楽観視しすぎじゃないかなあと感じる部分も。 残念なのは、いまWCPFCで宿題を突き付けられている目標設定についてのコメントが一切なかったこと。 確か2030年までに初期資源量の20%水準まで60%以上の確率で回復させるんじゃなかったでしたっけ。 現在設定されている暫定回復目標ラインっていうのは、聞くところによれば初期資源量比の7%の水準。 常識的に見てもあまりにも低い目標設定。 だから「暫定」なんでしょうけどね ブック

今年は各作業部会などでそれについての新たな提案をまとめなければならない段階で、これまでの暫定回復目標云々を前面にした説明っていうのは、日本として太平洋クロマグロの資源管理を変える事には消極的だって聞こえてしまいます。 そのあたりをもっと話していただきたかったなあと思いました 船

産卵場や回遊経路などの解明のため、マグロへのポップアップタグなどを装着しての放流調査ももっと大規模にする必要もあるのでしょう。 これまで10個やそこらの調査実績では話にならないと思います 汗

長くなってしまったので、ほかの魚種のお話しについてはまた後日ということで face02
  

Posted by 勝倉漁業株式会社 at 17:23