宮城県気仙沼港の遠洋まぐろ延縄漁船 勝栄丸 (SHOEIMARU) のブログです。勝倉漁業株式会社が運営する勝栄丸ブログでは、まぐろを取り巻く世界情勢や国内の動き、地域の情報などについてお知らせ致します。

2017年12月15日

今年の漁業を振り返って


昨日よりは寒波もおさまったものの、それでもすごく寒い朝の気仙沼港です。 すでにサンマ漁を切り上げた漁船が、来春までの係船準備のために岸壁に横付けしては、集魚灯や網などの陸揚げ作業を行っています。 全国で見ても今日の水揚げ量はゼロ。 漁期がほぼ終了になったという事ですかね camera

先日発表された11月末現在のサンマの水揚げは、各港合計で73,859トンと昨年同期の68%の数量。 気仙沼港でも8,548トンにとどまり昨年同期比65%の低水準の結果となりました。 全国の平均単価は286円と、数量不足によって昨年の1.34倍の値段。 資源水準が本当に心配です 汗

一方の生鮮かつおも、21年連続日本一を達成した気仙沼ですが、数量・金額ともに大きく前年実績を割り込んで、気仙沼主要魚種の両巨頭が、どちらも苦戦した一年でした。 来年に期待したいです 船

そして刺身マグロの供給量については、2017年の供給量は30万トンを割り込む見込みとなった模様。 台湾や韓国・中国などの外国勢による刺身マグロ生産。 彼らは日本の中古船を利用してのマグロ漁なので、その平均船齢は35年とも言われ、漁船の老朽化のために活動停止を余儀なくされる状況にあるのかもしれません。 各水域の不漁の影響もありますが、こうした事が大きく影響している事は確実です タイ

今月フィリピンのマニラでおこなわれた中西部太平洋まぐろ類委員会において、巻き網漁船による集魚装置(FAD’s)の規制緩和が決定されてしまいました。 科学的な裏付けはないにせよ、三陸沖や日本近海に来遊するカツオ資源の減少は、南方海域での乱獲の影響が非常に大きいと思います icon08

このWCPFCでのFAD's規制緩和の影響が、来年以降のカツオやメバチなどの漁獲にどのような影響を及ぼすのか注意深く見ていかなければなりませんね。 これ以上減ってしまっては、地域経済にとっても大打撃ですから。 サンマ・かつお・そしてマグロ類と、来年の漁模様の好転を切に期待しています face06
  

Posted by 勝倉漁業株式会社 at 09:23