宮城県気仙沼港の遠洋まぐろ延縄漁船 勝栄丸 (SHOEIMARU) のブログです。勝倉漁業株式会社が運営する勝栄丸ブログでは、まぐろを取り巻く世界情勢や国内の動き、地域の情報などについてお知らせ致します。

2018年06月20日

巻網漁船によるクロマグロの水揚げ


梅雨空のどんよりと曇っていまにも雨が降り出しそうな天候の気仙沼です。 昨日は気仙沼魚市場が休市日だったこともあって、きょうの魚市場はたくさんの漁船の水揚げで賑わっていました icon12

昨晩から続々と入港してきたカツオ一本釣り漁船がずらり。 11隻ものカツオ船の入港があって、生鮮かつおが92トン、小型のメバチマグロや黄肌などが39トン、そしてびんちょうが316トンと久しぶりにまとまった量の水揚げとなって。 そんなところに高知県奈半利町の68廣漁丸さんの沈没のニュースが 汗

三陸沖での操業を終えて気仙沼に向け帰航中だったと思われる68廣漁丸さん。 例年この時期から11月頃までは、第二の故郷として気仙沼に出入りするカツオ船。 午前中の報道によると船長以下乗組員18名が僚船により無事全員救助されたとの事。 こういう事故が二度と起きないことを願います タイ



きょうの気仙沼港には、かつお船の他に巻き網船によるクロマグロの水揚げもありました。 事前の情報では80~100㎏目廻りのマグロが30トンという事でしたが、実際に確認したサイズ感は100㎏超の大型マグロがほとんど。 水揚げ結果は30.6トンで2953万円、平均単価は964円/㎏だった模様 !

大中型まき網漁業に割り振られている大型クロマグロの漁獲上限は3063.2トン。 この夏場のクロマグロは赤身のものが多く、なおかつ大量に漁獲することによる身のヤケが危惧されることから、入札価格はそれ相応の水準だったけれど、他港に比べれば割高という事もあって漁船側とすれば納得の水揚げ結果かと。 内臓を見ると卵持ちのまぐろも多いみたいで、産卵期のマグロなんだという事がわかります。 ほとんどが魚問屋さんが買い支えての取引きとなって、出荷先での評価はどうなのか気になりますね camera

各県の知事管理による沿岸漁業のクロマグロ管理は、小型魚1316.8トン、大型魚が732.7トン。 管理期間は2018年7月から19年3月までの9か月間に設定されました。 一方の大臣管理によるものは前述の3063.2トンに加えて小型魚が1500トン、そして近海・遠洋漁業や流し網漁業への配分など。 漁獲配分は大中型まき網により多くというかより有利に配分されているような気がしてなりません 船

日本全体の合計では、小型魚が3138.7トン(うち留保分239.2トン)と大型魚4687.6トン(うち留保分724.7トン)。 資源悪化で国や県による管理が始まった日本付近に回遊する太平洋クロマグロの資源回復には、産卵期のクロマグロの規制と未成熟の小型魚の漁獲抑制は必須。 大切なクロマグロを流通や消費者にも望まれる形で提供する、そのためには漁船側の努力だけではなく、漁獲枠を管理する国や県としての方針として個別割当への移行が必要になってきているのではないかと改めて感じた朝でした face06
  

Posted by 勝倉漁業株式会社 at 14:56