宮城県気仙沼港の遠洋まぐろ延縄漁船 勝栄丸 (SHOEIMARU) のブログです。勝倉漁業株式会社が運営する勝栄丸ブログでは、まぐろを取り巻く世界情勢や国内の動き、地域の情報などについてお知らせ致します。

2018年11月27日

新昇發造船でFRP漁船を視察


北かつ経営研究委員会での海外視察で訪れた台湾・高雄港。 ここは遠洋漁業の世界一の基地港と言ってもいい。 遠洋まぐろ延縄漁船や大型イカ釣り船、海外巻き網漁船などたくさん在港中でした 音符

台湾の遠洋まぐろ漁船は、かつては700隻も800隻もあったけれど、現在の登録数は300隻台。 そのうちの100隻ほどが老朽化のため代替わりとして台頭してきたのがFRP製の超低温まぐろ漁船です 船

鋼製のまぐろ船は日本の中古船を利用してきたケースが多く平均船齢はとうに30年を超えていて、そろそろ使い物にならなくなってくる。 そのかわりに建造しているのがこのFRP漁船なんです。 船価は鋼製の船に比べて約半値、3億円くらいで建造できるので、建造意欲はまだ旺盛な台湾業界です icon12



今回の台湾視察で訪問したのは「新昇發造船」さん。 高雄港からすぐ近くにある造船所なので、移動も短時間で済みますね。 守衛さんに声がけして建屋の中へ。 複数隻のFRP漁船が建造中でした camera

ほぼ同じような船型の大型FRPマグロ船が船台にズラリ。 着工から完成までで約半年くらいで出来上がるそうですが、日本の船主さんが発注したFRP漁船は、まだ完成までにだいぶ時間がかかりそう。 船主サイドで手配した機器類が到着していないとかで、この状態のまま建造がストップしている感じ 汗

建造船価が安いことに加え、ランニングコストで重要な位置づけとなる燃料油の消費量が少ない事もFRP漁船のメリットの一つ。 操業中は1500L、航海中でも2000Lの燃料消費なので、鋼製のまぐろ船と比べるとだいぶ経費も掛からない。 操業海域は限られるけれど、これが台湾船主の選択ですね タイ

温暖な海域で、海外の補給港を中心とした基地操業ならこの船でも操業できる。 日本人の乗組員が乗船するかという疑問はあるにせよ、これからのマグロ供給の一つの大勢力になっていくのは確か。 発注した日本の船主さんにとっては大きなチャレンジになると思いますが、ぜひ成功してほしいと思います face02
  

Posted by 勝倉漁業株式会社 at 08:21