宮城県気仙沼港の遠洋まぐろ延縄漁船 勝栄丸 (SHOEIMARU) のブログです。勝倉漁業株式会社が運営する勝栄丸ブログでは、まぐろを取り巻く世界情勢や国内の動き、地域の情報などについてお知らせ致します。

2019年11月29日

ICCATでメバチマグロ枠削減合意

ICCATでメバチマグロ枠削減合意
毎年10月はCCSBT(みなみまぐろ保存委員会)、11月はICCAT(大西洋まぐろ類保存国際委員会)、そして12月はWCPFC(中西部まぐろ類委員会)などの国際会議が目白押しの3か月間です クラッカー

その中で、勝倉漁業のマグロ船も操業をおこなう大西洋におけるマグロ類の漁獲管理、ルールなどを決めるICCATが、今年はスペインのパルマ・デ・マヨルカで開催され、日本からも政府代表や水産庁をはじめとする各省庁、そして業界団体や研究機関、遠洋まぐろ漁業者などが参加しました タイ

北大西洋でおこなわれているクロマグロの資源水準は近年ではV字回復して、その漁獲枠・国別割当量も年々増加する状況となっている一方で、温暖な海域を中心に生息するメバチマグロの資源状態が「乱獲かつ過剰状態」と、科学委員会が指摘したことを受けて、漁獲量削減の議論がおこなわれました 汗

大西洋のメバチマグロは、漁獲枠が割り振られている国もあれば、沿岸国などの国々などでは割当を持っていない例もあって、昨年の実績ではTAC(総漁獲枠)の65,000トンを大きく上回る73,000トンもの実績があった模様で、全体としての削減に向けて難しい調整が図られた模様です 船

決定されたTACは全体ではこれまでより2500削減の62500トン。 日本やEU、台湾などの10,000トン以上の割当数量を持つ国は21%の削減、中国など3500トン以上の国は17%。1000トン以上の国については10%、沿岸の途上国など1000トンに満たない国は現状維持との合意内容です ブック

今回は枠を持っていなかった国にも漁獲枠を割り当てたことも含め、実質的に10,000トン以上もの漁獲枠が削減されたことになります。 そして旋網船によるFADs(集魚装置)使用の規制にも大きな前進があった模様で、メバチマグロ資源の回復が順調にすすんでいくことを大いに期待しています いかり

日本漁船による大西洋でのメバチマグロ漁獲は、実績として10000トンに達していない事から、各船の操業に支障がでる事態には至らないと思われますが、南ビンナガの例のように、今後の管理強化推移を注意深く見ていかなければなりません。 ICCATに出席された皆さん、本当にお疲れさまでした face01
Posted by 勝倉漁業株式会社 at 12:21

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