宮城県気仙沼港の遠洋まぐろ延縄漁船 勝栄丸 (SHOEIMARU) のブログです。勝倉漁業株式会社が運営する勝栄丸ブログでは、まぐろを取り巻く世界情勢や国内の動き、地域の情報などについてお知らせ致します。

2015年12月15日

サンマとカツオの勉強会

サンマとカツオの勉強会
久しぶりに気仙沼のコの字岸壁に行くと、シーズンを終えて係船が開始された大型サンマ船がずらりと並んでいました。 かつては、サンマの時期以外を北洋のサケマス漁や南方でのマグロ漁などをおこなっていたサンマ船ですが、いまは8月から12月のサンマの時期以外はこうして漁に出ない船がほとんど camera

今年の気仙沼へのサンマの水揚げは、数量が約11,769トン、金額が23億810万円と、昨年に比べて数量で6割近くの減少でしたが、品薄から単価が高騰したため金額では4.9%減にとどまった模様 船

全国的にも数量で約半減、金額は過去最高の水揚げだったとか。 金額が昨年並みでも数量がこれほど減ってくると、全体としてよかったのか悪かったのか、これが続くと加工流通業者がたいへんなばかりでなく、結果として消費者の購入価格の上昇にもつながってくることが大いに考えられるので、やはりもっと数量が水揚げされたほうがいいのは確かなのでしょう face06

先週末、気仙沼のとなり街・大船渡の魚市場を会場に、サンマやカツオなどの資源および海況を考える勉強会が開催されて、勝倉漁業の市場担当スタッフたちももちろん参加してきました マイク

サンマに関して、その推定資源量は2013年には502万トンほどあったものが現在2015年では227万トンとなり、資源的にはここ10年間で約半減の状況だとか。 一方の漁獲は日本以外の台湾や韓国・中国などの漁獲が急増した結果18万トンほど増加しましたが、これが資源量の大幅な減少の要因なのか、環境などほかに原因があるのか、専門家でもまだ結論が出ない状況のよう ブック

ですが、北太平洋のサンマなどの漁業管理をおこなう機関NPFCが発足し、これからサンマの資源管理も行われていくので、資源状況が安定するまでの間は、漁獲圧をやや下げるべきではないかとの専門家の意見。 NPFCでの日本のリーダーシップに期待するとともに、永続的に資源を有効利用できる体制になってもらいたいと思いますね タイ

それからカツオの話し。 南方での超大型海外巻き網漁船などの大量漁獲によって、カツオに関しても資源水準が悪化している状況だとか。 そのため黒潮にのって三陸沖に北上するカツオの群れもすくなくなって、夏から秋にかけての三陸沖の漁にもっともその影響が表れるんだそうです。 カツオは資源状態が悪くなるとその防衛本能によって成熟・産卵が早くなる、早い時期からカツオに脂がのってくるっていうのも資源悪化によるひとつの現象とのお話しでした。 この早熟の話はマグロでも聞いたことがありますね icon12

気仙沼にとってどちらも大切な魚種のサンマとカツオの今年を振り返っての勉強会でした face01

Posted by 勝倉漁業株式会社 at 10:41

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