宮城県気仙沼港の遠洋まぐろ延縄漁船 勝栄丸 (SHOEIMARU) のブログです。勝倉漁業株式会社が運営する勝栄丸ブログでは、まぐろを取り巻く世界情勢や国内の動き、地域の情報などについてお知らせ致します。

2018年09月17日

PNGとの二国間協議を終えて


南太平洋に浮かぶ島国のパプアニューギニア。 ここは日本の遠洋まぐろ延縄漁船や大巻き網船などが数多く操業し、周年を通してカツオやマグロなどを漁獲しているとても重要な水域です 花丸

パプアニューギニア水域における日本漁船の来年の操業を確保するために、首都のポートモレスビーに出向いて行われた二国間協議。 両国の代表団が一堂に会しての数日間の会合でしたタイ

ICCATやCCSBTなどの多国間会合には出席したことがあるけれど、こういう二国間会合への出席は私は初めての経験。 水産庁や関係団体などで構成される日本代表団の一員としての参加でした 若葉

これまでいろいろと情報には接していましたが、会議に出席して島嶼国が目指す方向性を改めて認識させられたような気がします。 海に囲まれて、大きな産業がないパプアニューギニアなどの島嶼国にとって、海洋資源は大きな財産。 カツオやマグロに代表される海洋資源の価値の最大化を目指す彼ら ドル袋

これまでの年間を通じての漁業ライセンスから、一日単位のライセンスとする隻日数制度(VD)。 巻き網漁業にこのVDが導入されて7年が経つ中で、1日あたりのVD価格が二倍以上に高騰。 日本の巻き網船が購入するVDはパプアニューギニア水域だけでも年間総額で20億円以上にもなってきて 汗

陸上の工場施設やインフラ等への投資に加え、現地人の雇用拡大も要求の一つ。 漁船に関してはパプアニューギニアの港の利用促進が強く求められ、公海操業から島嶼国水域への誘導そして漁船囲い込みの方向性が見てとれるようになってきました。 今後も非常に難しい交渉になりますね いかり

遠洋まぐろ延縄漁船にとってもとても重要な漁場であることは確かだけれど、限度を超えた入漁料やVD価格では入漁不可能。 ましてやこれ以上の操業禁止水域拡大などを導入されたら話にならない。 会議の中で相手方の代表者には強く伝えたけれど、どこまで理解してくれたのかわかりません camera

数日間の会議を終えて、遠洋まぐろ延縄漁船、海外巻き網漁船、生鮮まぐろ漁船の入漁条件が合意となり、各団体の代表が議事録への署名をおこなって。 それぞれの笑顔の裏には複雑な心境が隠れている。 来年以降の交渉がものすごくたいへんになりそうです。 精神的にとても疲れた海外出張でした face01
  

Posted by 勝倉漁業株式会社 at 09:19