2018年03月22日
連続水産セミナーを聴講して

東京海洋大学の協力を頂いて、気仙沼市で定期的におこなわれてる水産セミナーがあります。 毎回、大学から講師をお招きしさまざまなテーマについて勉強する場なんです。 今回は第3回講座として、気仙沼にとって非常に重要な魚種であるサンマとサバについて、「どうなる日本の漁業」というテーマでした

菅原市長の挨拶に続き、東京海洋大学の森下教授による講義の開始。 主にサンマについてのお話が中心でしたが、知っていること知らなかったこと、資料を示しながらのわかりやすい講義です

ここ3年連続で不漁に見舞われたサンマ。 特に昨年は過去最低水準の漁獲量に落ち込んでテレビ等でも大きなニュースになりましたよね。 価格も高騰して私達もあまり食べることができませんでした

その不漁の原因は何なのか。 近年、日本の200海里ラインの外側で、たくさんの外国漁船が操業しサンマを大量に漁獲するようになり、日本近海にやってくる前の沖獲りが大きな問題として報道されています。 確かに中国や台湾などの漁船数と漁獲量の伸びがすごいことになっているのは確か

先生のお話によると、不漁の原因はそれだけじゃないんだとか。 例えばサンマの資源量自体が減っているデータもあり、気候変動による回遊ルートの変化なども大きな原因になりうるそうだ。 地球温暖化によって、北海道沖の海水温が高くなる傾向があって、それがサンマの来遊の妨げになるとの事

北太平洋の漁業資源の管理のために北太平洋漁業委員会(NPFC)が2015年に発足し、サンマ漁業の関係国も参加して話し合いがおこなわれているけれど、効果的な管理措置がまだ合意できない状況。 国際的な資源管理魚種になった瞬間に、各国の主張がぶつかってなかなか前に進まない。 マグロも通ってきた道だけに、サンマが置かれているいまの国際環境がすごく理解できるような気がします

今年7月にもNPFCの会合がもたれ、資源量の科学的な解析や全体漁獲量そして国別配分量などについて話し合われるけれど、日本が考える方向で合意するのはかなり難しいと思います。 このまま手をこまねいていては更に資源悪化を招きかねないだけに、関係国の協力と理解を期待したいですね

「海と生きる」連続水産セミナーを聴講してすごく勉強になりました。 次回も楽しみにしたいです

Posted by 勝倉漁業株式会社 at
08:55